〈さいかいのふゆじたく〉

「さいかいで植物のある暮らし」

Centella センテラ
フィトテラピー＆ハーバルライフ
村山みほさん と おはなし

秋冬のHOGETのイベント、
なにする？ と相談していたとき、
カフェスタッフのみんなから
「美と健康」なるワードが飛び出しました。
ワオ。これまで「石鍋」とか
「アウトドア」とかばっかりだったのに、
いつになく女子っぽいゾ！？

けれども、ウン、美と健康。
大事。むしろ、基本。
日々をごきげんに生きるための、大・前・提！
ということで、
今年も１年がんばってきたのだもの、
そしてHOGETも１周年だもの、

この秋冬は、西海の自然やおいしいもので、
めいっぱいやさしい企画を
こしらえることになりました。
そうして真っ先に、
こころとからだにやさしい暮らしの
ヒントをいただきたい！と思ったのが、
西海市西彼町で
「フィトテラピー（植物療法）」に取り組む
〈Centella センテラ〉の村山みほさん。
大村湾を望むハーブに囲まれたアトリエで、
植物を取り入れた
暮らしの楽しみを教えてもらいました。　

はじまりは、ポプリづくり

　みほさんのアトリエ（って、勝手に呼んでいるけれど、Centellaさんのショップであり、教室であり、工房である、この場所のコト）を訪ねると、いつもハーブのいい香りがして、一瞬でこころがふにゃ〜っとなる。それから、あたたかいハーブティー（夏はミントが香るお水）や焼菓子が運ばれてきて、まるで童話の世界にでも招かれたかのよう。身の回りの草花の名やその使い途なんかの知識に明るくて、「すり傷にはこれね」なんて、さっと薬草を取り出す……そんな魔女のようなひとに憧れたことがあったっけ、と、子どもの頃を懐かしく思い出してみたり。

　みほさんが取り組む「フィトテラピー」とは、ギリシャ語の「Phyto（植物）」と「Therapy（治療・療法）」を組み合わせた言葉で、植物に含まれる成分を利用し、私たちの自然治癒力を引き出す伝統療法のこと。みほさんは数年前に病気を患ったことをきっかけに、本格的に植物療法を学び、生活に取り入れるようになったそうだ。

　けれども、もう少し掘り下げてその興味関心の根っこをたどってもらうと、「自然のなかで走り回って育っとるけぇ（みほさんは広島出身なのダ）、自然のものはもともと好きじゃけど……アッ！でもそういえば子どもの頃、自分でポプリつくったりしてたんだ！家にポプリづくりの本があって、バラとか摘んで、ちゃんと乾かしてやってたの」。まあ、なんとかわいい小学生！「男の子とかもやっつけちゃう悪ガキだったんだけど、そういうことはしてたんだ（笑）。おままごとでも、山菜摘んだり、ヨモギ摘んだり……子どもの頃から植物が好きだったんだなァ」。
　そんな記憶は多かれ少なかれ、誰の子ども時代にも眠っている気がする。“植物を暮らしに取り入れる”なんて大仰なことは言わなくても、キンモクセイの花を集めて香水をつくろうとしたり、ツツジの蜜を吸いながら帰ったり、サ。
「お父さんがよく散歩に連れて行ってくれて、そういうことを教えてくれたんよねぇ。そういう記憶が今の自分につながっとるし、だから西海でも、この自然のなかで、子どもたちにそういう体験をたくさんしてほしいって思うんよねぇ」。

植物のちからのおもしろさ

　ところで、植物療法ならではのおもしろさとはどんなことなのだろう。「そうねぇ……普通の薬と違って、たとえば同じハーブなのに便秘にも下痢にも効果があったり、ハーブとハーブの掛け合わせでまったく違う薬効が得られたり。1＋1が単純に2にならないところに発見があるかな」。

さらに、「日本では一般的に“雑草”といわれるハコベやオオバコなんかが、西洋ハーブの世界ではれっきとしたメディカルハーブとして本に載っていたりする。うちの屋号のセンテラも、和名ではツボクサといって、西海市でもそのへんに普通に生えとる草やけど、今韓国コスメでは大注目されとるよねぇ。日本にも昔から『身土不二』とか『三里四方に医者いらず』なんて言葉があって、“生まれついた土地・風土のものは自分のからだに合う”という考え方があるんじゃけど、ハーブは特別なものではなくて、実は足もとのごく身近なところにちゃんとある。知識さえあれば身の回りは宝の山（笑）で、それを知って、もっと楽しんでもらえたらいいなァ、って」。

　みほさんとお庭を歩くと「え、これがハッカ？」「○○ってこんな実がなるの？」と、新鮮な驚きでいっぱい。なにも知らなければただの草むらでも、ひとたび興味を持ってつぶさに観察すれば、まったく違う景色が広がる。そんなハーブの世界の魅力にふれた、秋の昼下がりでした……。

●ハーブで冬支度をするなら「バームやリップクリームづくり。からだをあたためるハーブティーもおすすめ」と、みほさん。HOGETの秋冬イベントからハーブのある暮らし、はじめませんか。

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